2022年も注目したい!DX推進を支援する中小企業向け補助金概要

中小企業の生産性向上を目指す国の取り組みである生産性革命推進事業。
その一環として、中小企業の設備投資・IT導入・販路開拓等を支援する助成制度が目的に応じて各種用意されています。

昨年12月に令和3年度の補正予算が成立し、今後の国の助成制度の概要が明らかになってきました。そこで、こちらの記事ではITツールの導入やDX推進に取り組む中小企業様を支援する助成制度をご紹介します。

※当記事は作成時点での情報に基づき作成しています。助成金の概要は今後変更される場合があります。

IT導入補助金
IT導入補助金とは、中小企業や小規模事業者が自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する際に、経費の一部を補助するという補助金です。
助成制度の対象企業
対象企業は、中小企業基本法で「中小企業者」「小規模企業者」などに該当する企業。業種によってその定義は異なり、例えば製造・建設・運輸業では資本金3億円以下かつ常勤従業員数300人以下、サービス業(除くIT関連等)では資本金5000万円以下かつ従業員数100人以下などがあります。

IT補助金概要

  • 補助対象:ITツール、PC、タブレット、レジ等
  • 開始時期:現時点調整中
  • 補助金額対象補助率補助
    上限額
    会計/決済ソフト・
    受発注システム等
    ~50万円:3/4
    50万円~:2/3
    350万円
    パソコン・
    タブレット等
    1/210万円
    レジ端末1/220万円

    会計/決済ソフト・受発注システム等では最大350万円の補助金が受給できる見通しです。補助金の対象となるソフトウエア・システムの詳細は今後選定された後に公開される見通しですので、要チェックです。

    国がIT導入補助金を強化する背景として、2023年から始まるインボイス制度の開始を見据えていることがあります。

    インボイス制度(適格請求書等保存方式)とは
    記載要件を満たした請求書などを発行・保存しておくという制度。要件を満たす請求書を保存しておくことで、仕入れ側が消費税の仕入額控除を受けることができます。インボイス制度に対応した会計ソフトの見直しが必要になる等、企業側は制度導入を見据えて準備する必要があります。

    会計・決済ソフトや受発注管理システムの新規導入を考えられている企業様、システムの刷新※を考えている企業様にとっては有益な機会になりますので、是非チェックしてみてください。

    ※助成の対象は原則、新規のソフトウエア・システム導入となりますが、審査基準によってはシステムの刷新や入替が対象となる可能性があるため、詳しくは今後公開される詳細な情報を確認する必要があります。
    ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)
    ものづくり補助金では、中小企業・小規模事業者を対象に新製品・サービス開発や生産プロセス改善等のための設備投資を支援します。

    ものづくり補助金概要

  • 補助対象:革新的製品・サービスの開発又は生産プロセス等の改善に必要な設備投資等
  • 開始時期:10次公募 (2月中旬に公募開始予定) からの実施を予定
  • 申請累計 補助率 補助
    上限額
    通常枠 1/2
    (小規模事業者等2/3)

    750万円
    (従業員数5人以下)
    1,000万円
    (同6人~20人)

    1,250万円
    (同21人以上)

    回復型賃上げ
    雇用拡大枠
    2/3
    デジタル枠 2/3
    グリーン枠 2/3 1,000万円、
    1,500万円、
    2,000万円
    (※同上)

    令和3年度の補正予算概要では、「デジタル枠」が新設が公表されました。詳細な要件は検討中としていますが、現状では下記のような案が示されています。こちらも、今後の動向に注目したい点です。

    デジタル枠の対象企業の概要
    • 次の要件を全て満たす3~5年の事業計画を策定していること。
      • 付加価値額:年率平均+3%以上
      • 給与支給総額:年率平均+1.5%以上
      • 事業場内最低賃金:地域別最低賃金+30円以上
    • DXに資する革新的な製品・サービスの開発やデジタル技術を活用した生産プロセス・サービス提供方法の改善等を行う事業計画を策定している
    • 「DX推進指標(経済産業省)」を活用して、DX推進に向けた現状・課題を認識する等の自己診断を実施+診断結果をIPA(独立行政法人情報処理推進機構)に対して提出

    また、これまでの「ものづくり補助金」と異なる点として、前回(第9回締切)までは補助上限額が一律1,000万円までだったのに対し、今後は従業員規模に応じてその額が変更される見通しです。従業員数21人以上の企業に対しては1,250万円以内の上限額に見直される予定であり、より中堅企業にとって魅力的な補助金制度となります。

    詳細概要が公表されましたら、改めて記事で紹介したいと思います。

    持続化の補助金
    持続化補助金は小規模事業者が販路開拓や生産性向上に取り組む際に交付される補助金です。
    小規模事業者とは
    小規模事業者支援法に基づき、業種ごとに従業員数で小規模事業者であるか否かを判断しています。
  • 商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く):常時使用する従業員数5人以下
  • サービス業のうち宿泊業・娯楽業:同20人以下
  • 製造業その他:同20人以下
  • 持続化補助金概要

  • 補助対象:小規模事業者が経営計画を作成して取り組む販路開拓等
  • 開始時期:現時点調整中
  • 申請類型 補助率 補助上限額
    通常枠 1/2
    (※一部3/4)
    50万円
    成長・分配強化枠 200万円
    新陳代謝枠 200万円
    インボイス枠 100万円

    小規模事業者が経営計画を作成して取り組む販路開拓等に加え、賃上げや事業規模の拡大(成長・分配強化枠)や創業や跡継ぎ候補者の新たな取り組み(新陳代謝枠)、インボイス発行事業者への転換(インボイス枠)といった環境変化に関する取組を支援します。

    インボイス制度への対応も見据えたITツールの導入補助に加え、PC等のハード購入補助等を行なう見通しですので、DX推進にも役立ちそうです。こちらも該当する事業者様は今度の動向に注目してみてください。

    ・・・

    ビジネスモデルの転換や社内システムの刷新等ハードルが高いものでも、補助金を有効活用することで第一歩を踏み出すことができます。

    補助金に関する情報は逐一更新されますので、是非とも活用したいという方はチェックしてみてください!
    ※なお、補助金は申請分の全てが採択されるわけではなく、審査通過が必要となります。申請前には必ず詳細をご確認ください。

    DXソリューションでは、補助金を活用したシステムツールの導入・システム開発案件のご相談も承っております。ご検討されている方は是非お気軽にご相談ください。